数少ない日本原産の野菜であるウドは、古くから栽培され、以前は食卓でもおなじみの食材でした。これを食べるのは日本人だけです。「独活(ウド)の大木」という慣用句は「体ばかり大きくて役に立たない」という意味で使われますが、ウドも実際に食用となるのは若い茎や穂先で、大きくなると食べられません。うどは「木」でなく多年草です。老化予防に効果があり、実際、室町時代には薬として用いられていました。
ウドの主成分は糖質と水分ですが、ビタミン・ミネラルも豊富な食材です。カリウムが多く、マグネシウム、カルシウム、ビタミンC、食物繊維も含みます。カリウムが血圧を整え、食物繊維が腸内の有害物質や老廃物を体外に排出してくれます。精油成分が血流をよくして体を温めてくれます。特有の苦みが食欲を増進させ、新陳代謝を促すので、加齢ともに遅くなるターンオーバーの活性化を助けます。
有効成分は皮付近に多く含まれているので、皮も食べるとよいです。美肌効果があるフラボノイドもウドには含まれており、美容、健康に嬉しい効果が期待できる野菜です。
●カリウム
血中のナトリウム濃度を調整する作用で、余分な水分を体外に排出し、むくみを改善、予防。小顔効果が期待できます。
●クロロゲン酸
ウドの持つ苦味(アク)はポリフェノールの一種クロロゲン酸で、抗酸化作用があるといわれています。ただし、調理する際にアク抜きをするので、摂取量はあまり期待できないかもしれませんが、成分自体は緑色の葉の部分に多く含まれています。
日焼けによるメラニン抑制に加え、がん予防に効果があるといわれています。
●アスパラギン酸
ウドにはアスパラギン酸が豊富に含まれています。アスパラギン酸は体内で産生できる成分ですが、不足すると疲れやすく抵抗力が弱まったりするので、食べ物で補う時にはウドを選ぶといいでしょう。
また、アンモニアなどの有害物質を体外に排泄し神経を守る効果もあるといわれています。
さらに、アスパラギン酸には疲労回復効果があり、ミネラルを体の隅々まで運ぶ働きもします。
●ジテルペンアルデヒド
ウドが持つ独特の香り成分。血液循環をよくし、疲労回復に効果があるといわれており、体調・気分を良くしてくれます。