★食べ過ぎが中性脂肪を上げる
血液中の中性脂肪の量は食事の影響を受けやすいので、食事を改善するのが最も大切になります。食べる食品の種類を考えるとともに、適正なエネルギー量の摂取に注意しなければなりません。エネルギーの過剰は肥満につながり、肥満になると血液中の中性脂肪が増えるだけではなく、他の生活習慣病の原因にもなります。自分の適正なエネルギー量をしって食べすぎないようにしましょう。
1日の適正なエネルギー量は、性別・年齢・活動量などによっても異なりますが、肥満の人の場合は、標準体重1キログラムあたり25から30キロカロリー、肥満で無い人は標準体重1キログラムあたり30から35キロカロリーを目安にしてください。
例えば身長160センチであれば標準体重は56キロとなり、肥満の人では1400から1700キロカロリーのエネルギー量が適正と言うことになります。
特に夕食を多く食べると、1日のトータルの摂取エネルギー量が低くても、中性脂肪が高くなる傾向があります。中性脂肪は寝ている間に多く作られるので夕食の食べ過ぎには注意が必要です。
《夕食の食べ過ぎが要注意》
★中性脂肪を下げる食事のポイント
アルコールは肝臓での中性脂肪の合成を高め、血液中の中性脂肪を増加させます。また、アルコール飲料そのもののエネルギー量が高い事に加えて、飲酒するときのおつまみは、焼き鳥や唐揚げなど高エネルギーのものが多く、摂取するエネルギー量がオーバーになりがちです。中性脂肪が少し高めと言う状態であっても、飲酒の回数を減らすか1回に飲む量を減らすようにしましょう。週に2日は休肝日を作り、飲みすぎないようにしましょう。
果物に含まれる果糖や、砂糖に含まれているブドウ糖等の、単純糖質は中性脂肪に変わりやすいので、単純糖質が含まれる甘いお菓子や果物などは摂りすぎないよう注意しましょう。夕食後にお菓子や果物を取ると、中性脂肪がたまりやすくなります。また果糖や砂糖の入った飲料も要注意です。飲み物の中の単純糖質は吸収が早いので、できればお茶かノンアルコール飲料にしましょう
脂質は、植物油大サジ1杯で100キロカロリーと高エネルギーのため、油を使った料理は高エネルギーになりがちで、例えば揚げ物に使われている油の量は、トンカツ一人前12グラム、フライドポテトMサイズ20グラム、天ぷら1人前15グラム、と非常に多いので食べる回数を少なくしましょう。またバター・マーガリン・マヨネーズ・ドレッシングなど油が多い調味料も控えめにするか、低脂肪かノンオイルタイプのものにしましょう。
青魚の脂肪に多く含まれる脂肪酸のEPA
やDHAは、肝臓での脂肪の合成を抑えて血液中の中性脂肪を下げる作用があります。中性脂肪が高めであっても青魚を多く食べている人は動脈硬化のリスクが下がると言う調査結果もあります
一方、海藻やキノコ、こんにゃく、豆類、野菜などに多く含まれる食物繊維は、腸内で中性脂肪や糖質を吸着して一緒に排泄する働きがあります。また、食物繊維は水分を吸って膨らむため、満腹感が得られやすくなり食べ過ぎを抑えると言うメリットもあるのです。
《ポイント=アルコール・果糖・砂糖・油・青魚・食物繊維》