インスリンが効かない!?

インスリンがきちんと分泌されているのに、その効果が低下してしまうことがあります。これはインスリン抵抗性と呼ばれるものが関係していて、2型糖尿病の発症の大きな要因となっています。

血糖値が正常でもインスリン抵抗性があると、通常の何倍ものインスリンが分泌され、その増強されたインスリンの作用によって、何とか血糖値を維持することになる。しかし、よりインスリン抵抗性が大きくなったり、長期にわたる過剰なインスリン分泌でβ細胞の機能が低下すると、インスリンの分泌が追いつかなくなり、糖尿病になってしまうのです。

インスリン抵抗性が起きる理由にはいくつかのことがあげられています。特に問題になるのが脂肪細胞からの分泌されるアディポサイトカインとよばれている因子です。
肥満者は脂肪細胞が大きくなっており、そこからインスリン抵抗性を強める腫瘍壊死因子(TNFα)などの分泌が増えてしまいます。

TNFαはインスリンがブドウ糖を取り込むメカニズムを妨げるので、インスリン抵抗性が起きると考えられています。さらに、肥満になるとインスリン抵抗性を改善するアディポネクチンの分泌が減少し、これもインスリン抵抗性を高める原因になります。
また、脂肪を摂取することで増加する遊離脂肪酸や高血糖状態そのものも、インスリン抵抗性を引き起こすとみられています。