高齢者の認知機能の低下防止に笑いが役立つという研究結果もあります。
65歳以上の高齢者を対象に、笑いの頻度と認知機能に関する症状(物忘れなど)の関係を調査したところ、笑いの頻度が少ない人により多く症状が見られることがわかりました。「ほとんど笑う機会がない人」は「ほぼ毎日笑う人」と比べて認知機能低下の起こりやすさは2.15倍にもなったのです。笑わない人ほど認知症のリスクが高まると言えるでしょう。
脳の中では、たくさんの神経細胞がネットワークを組み、膨大な情報を伝えながら働いています。その情報を伝えるのが「アセチルコリン」と言う物質です。
笑うとき、というのは通常とは違った「呼吸法」を自然と行います。この呼吸法が副交感神経を刺激して神経伝達物質の「アセチルコリン」を生成しているのです。
アルツハイマー型認知症の人が亡くなった時、脳の内部を調査したところ「アセチルコリン」と言う脳内神経伝達物質が減少していることがわかりました。
アセチルコリンとは:脳内の神経細胞間で、情報の伝達を行う神経伝達物質です。アセチルコリンという物質が少なくなると、神経細胞同士の情報伝達に障害が発生します。このアセチルコリンの減少は記憶障害、学習能力低下につながります。!
笑うことで、アセチルコリンが海馬の機能を向上させます。海馬への作用が記憶力を高めてくれます。そしてなにより、笑うことでストレスを追い払い、気分が良くなります。リラックスできるのです。ストレスによる緊張状態を解き、リラックス状態になることができます。
落ち込む、暗い気分といった心理状態になるとストレスを溜め込みやすくなります。いつまでも悲哀感を引きずっていては体調を崩し、病気を引き寄せる隙を作ってしまいます。それよりも、いつも明るく振舞うことで自然と笑顔を作ることができます。笑うことで免疫力が上がるとも言われているので、健康にとっても良いことです。
ストレスを抱え込まないために、笑うことは重要なことです。
毎日笑うことで、アセチルコリンの機能を高めることができます。それが認知症予防になります。
人とコミュニケーションを取ったり、テレビを見たり、運動をしたり、遊んだり、綺麗な景色を眺めたり。なにかしらの活動が笑顔につながっていきます。活動的であることが認知症を遠ざけてくれます。
笑うことを意識して認知症予防としてください。笑顔が明るい人生の証となるのです。