ダイエットには玄米食

●玄米食はメタボリックシンドロームを改善する

白米など生成された穀物の代わりに、玄米や未精製穀物を多く食べると、満腹感が得られやすく、ダイエット効果のや全身の炎症を低減することが、デンマークで行われた研究で報告されている。さらに全粒穀物や玄米を食生活に入れることよって、メタボリックシンドロームの、予防や改善につながる可能性があるという事が報告されている。

それは、玄米や全粒粉穀物の中に含まれている食物繊維や、外皮や胚芽に含まれている特有の機能性成分による抗肥満効果によるもので、脂肪の分解や吸収抑制に働いていることが報告されている。

●デンマーク工科大学教授の研究ではーー

血糖異常や脂質異常、高血圧などのメタボリック症候群のリスク因子を1つ以上有する成人男女60人を対象としたもの。参加者は20~65歳で、全員が過体重または肥満であった。

論文の責任著者であるTine Rask 
Licht氏は「この研究結果は、全粒穀物の摂取を推奨することが科学的根拠に基づくことを裏づけるものだ」と語っている。

参加者のうち50人が全粒穀物または精製穀物が中心の食事を終了した。解析の結果、精製穀物と比べて全粒穀物を中心とした食生活を送るとエネルギー摂取量とともに体重も減少することが分かった。この結果について、Licht氏は「全粒穀物を食べると満腹感が得られやすく食べる量も減ったことが減量につながったのではないか」と話している。

また、全粒穀物が豊富な食事を取るとメタボリック症候群のリスク因子とされるインターロイキン(IL)-6やC反応性蛋白(CRP)といった全身性の炎症マーカーが大きく低下することも分かった。

●糖質制限ダイエットで炎症性サイトカインが増加

IL-6やCRPは別名老化物質とも呼ばれ、ある一定量の分泌は私たちの体の免疫力維持のために必要ではあるが、過剰に分泌されることによって体内での炎症を起こして体を老化させると言われている。特にダイエットで気をつけなければならないのが、『糖質制限ダイエット』ではこの炎症性サイトカインの増加が確認されている。危険!

●米ニューヨーク大学ランゴン・ヘルスのSamantha Heller氏は

全粒穀物はビタミンやミネラルを多く含む健康的な食品であるが食べ過ぎには気をつける必要があるとし、理想的な食事の構成として「でんぷんを含まない野菜を半分、全粒穀物とたんぱく質をそれぞれ4分の1とするのが良い」とアドバイスしている。さらに、同氏は食品を選ぶ際にはパッケージに「全粒穀物でできている」と表示されていても、栄養成分の表示を改めて確認するよう促している。