〈あなたの習慣が周囲に与える影響〉
■肥満は伝染病のように感染する
肥満はなんと伝染病のように感染すると聞いたら本当にびっくりしますよね。もちろん肥満はインフルエンザや感染症のように感染するわけではありません。
ただ、肥満は周りの人たちに大きな影響を与えると言う、研究結果があります。それは、人は家族と一緒に生活し、また友人と共にも時間を共にします。そして会社では同じ環境のもとで仕事をしています。そんなことで肥満は、周りの影響受けて連鎖すると言う研究結果をハーバード大学のニコラス・クリスタキス教授が発表しています。
なんと、肥満になる人は、配偶者が肥満な場合は37%増加、兄弟姉妹だと40%増加、友人だと57%増加したとのこと。そして、インフルエンザとは違って、地理的に近い人同士は肥満の連鎖は起こらず、「社会的」なつながりが影響することがわかりました。
■家族の習慣が与える影響は大きい
肥満とは、「取る」カロリーと「出す」カロリーのバランスで決まるので、太り過ぎた体重を維持するだけのカロリーを、常日頃から摂取していることを意味しています。
家族は少なからず一緒に食事をする機会が多いです。どうしても太る食生活を一緒にしてしまうと言うことになります。また家族の中に太った人がいて過剰に食べる習慣があると他の家族もそれにつられて栄養素の過剰摂取になってしまいます。
といったように、社会的なつながりがある人の食習慣の影響は大きく、自分の食べ過ぎてしまう理由をつい作り上げてしまいがちです。
実はこのような現象は、子どもの成長にも影響を及ぼします。両親が清涼飲料水を好きだったり、甘いものやお菓子をよく食べたりすると、子どもは肥満になる傾向が高くなります。また、喫煙習慣や飲酒、幸せまでもが社会的ネットワークの影響を受けていることがわかっています。
よく成功の方程式の中で、勢いのある人に近づこう!お金を持っている人に近づこう!能力や知恵のある人に近づこう!などと言われていますが、これも社会的なつながりが自分の行動に影響を与えるがためでしょう。ということは、「なんとしても痩せたい!」と思ったら、肥満になるような行動をしている人との関連性を少なくすることを考えないといけないかもしれませんね。
しかし、私の周りには肥満の人が多いからしょうがない。と言って自分の間違った食生活を棚に上げて、周りの人の責任にしてしまう人も、中にはいる事でしょう。はい、私たちは環境の影響を受けやすい状態にありますが、あくまでも、自分自身がどのような食生活や運動習慣をするか、、自分の行動は自分が決めることが、何よりも大切なのです。
肥満は本当の伝染病ではありません。自分の意思がしっかりしていれば、伝染しやすい要素はあるものの、その伝染力は非常に微力だと思います。