食欲のメカニズム
ダイエットの成功には食欲のコントロールが不可欠です。このページでは、食欲の発生と密接な関わりのある2種類のホルモン、「レプチン」と「グレリン」について、ドクター監修のもと詳しく解説していきます。
食欲をコントロールする2つのホルモン
ダイエットのカギは食欲のコントロールにあります。しかし我慢しようとしても、食欲は意志だけでどうにかできるものではありません。
実は食欲の発生には、体内で分泌される2種類のホルモンが大きく関与しています。
それは、「レプチン」と「グレリン」です。これらが競合し、上手にバランスをとることで食欲はコントロールされています。食欲と上手につきあっていくためにはそれぞれのホルモンの特性を理解することが必要なのです。
レプチンとグレリンの働き
レプチンは満腹中枢を刺激する
レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、基本的に食事をしたあと分泌されます。
レプチンが分泌されると、脳の視床下部にある満腹中枢が刺激され、満腹感を感じるようになります。すると、食欲が抑制されるという仕組みです。
レプチンという名前はギリシャ語の「レプトス」に由来し、「痩せる」という意味を持ちます。まさしく、痩せる効果のあるホルモンだというわけです。
血液中のレプチン濃度を高く保つことができれば、食欲を抑えることができ、ダイエットの成功へとつながるでしょう。
グレリンは食欲中枢を刺激する
グレリンは胃から分泌されるホルモンです。グレリンが分泌されると、脳の視床下部にある食欲中枢が刺激され、食欲が増すことになります。
本来グレリンは、空腹で体内のエネルギーが不足しがちなときに、エネルギーの補充を促すため分泌されるホルモンです。必要なときにのみ食欲が増すのであれば、食べ過ぎて太ってしまうということはありません。
ダイエットとレプチンの微妙な関係
体脂肪が多いとレプチンに鈍くなる
レプチンは脂肪細胞から分泌されるのですから、太っている人のほうが食べ過ぎずに済むのではないかと考える人もいるかもしれません。
ところが、実際にはそうはいきません。体脂肪が多いと、レプチンの受容体が鈍くなってしまうからです。たしかにレプチンの分泌量自体は増えるのですが、それを上手に受け取ることができないため、食欲を抑えることはできません。