サーカディアンリズムってなに?

本来、人間は目覚まし時計がなくても、朝になると目覚め、夜になると眠るようにできています。食事の時間もほぼ決まっています。しかし人間は、毎日同じようなリズムで生きようと確固たる意志を持って努力しているわけでは有りません。特別に意識しなくても、自然に毎日が同じようなリズムになるのです。これは、人間の体内に時計が存在するからに他ならない。この時計は「体内時計」と呼ばれます。

渡り鳥を見れば、鳥たちも1年のリズムをコントロールする体内時計を持っていることは容易に理解できます。人間もさまざまな種類の体内時計を持っているが、睡眠にもっとも関係するのは、やはり1日のリズムをコントロールする体内時計です。

体内時計は、人間のカラダのさまざまな部分をコントロールします。例えば、体温です。人間の体温は、午後から夕方にかけての時間帯が一番高く、それから、徐々に低くなり、眠くなる深夜11時から12時ごろにかけて一段と低下します。そして、午前4時ごろが一番低くなり、その後上昇していきます。体温が高いときは目が覚め、体温が低くなると眠る。体温は人間の覚醒と睡眠に深くかかわっています。

人間は昼に活動するから体温が上がるのではなくて、昼に体温が上がるようにできているから、活動できるのです。もっとも、24時間活動する現代社会では、人間は昼に起きて夜眠るのが自然だといっても、理解できない人がいるかもしれないが・・・。

このように1日のリズムをコントロールする体内時計のことを、「サーカディアンリズム」といいます。

「サーカ」はラテン語で「約」の意味、「ディ」は「日」の意味だ。つまり、「サーカディアンリズム」とは「約1日のリズム」という意味になります。別名「概日リズム」とも呼ばれています。鋭い人は、お気づきの事と思います。なぜ、「約」なのか。これがサーカディアンリズムのポイントともいえる点です。

人間の1日のリズムを詳しく研究した結果、人間の体内時計は1日25時間の周期で動いているということが分かってきました。何と24時間ではなかったのだ。だから「サーカディアン(約1日)」なのです。