魚をほとんど食べない人は・・・

魚をほとんど食べない人は食べる人に比べ、大動脈の病気で死亡するリスクが約2倍高まるとする研究結果を、筑波大(茨城県つくば市)と国立がん研究センター(東京都中央区)の研究グループが発表した。魚に含まれる成分が、血管を保護する役割を果たしている可能性があるという。

●日本人の魚の消費量が減少している・・。

消費者の「魚離れ」が依然として進行しています。魚介類と肉類の国民1人1日当たり摂取量の推移をみると、魚介類が長期的に減少傾向にあるのに対し、肉類はほぼ横ばい傾向にあり、平成18年には初めて肉類の摂取量が魚介類を上回りました。その後、19年、20年と魚介類と肉類の摂取量が拮抗していましたが、現状は更に消費量を減らしている現実があります。

平成13年(2001年)頃を境に魚の消費量が減少を辿っているんです。

●なぜ消費量が減少したのか?2つの理由

1・タンパク質の摂取方法が、魚から肉に移行しているからだといわれている
(肉のほうがおいしいかったからかな?)

2・漁獲量が低下して、人気の魚が近海で捕れづらくなった
(安く食べられた魚が高級食品になった)

●40歳以上の男女計36万6000人の調査研究から、魚を食べた頻度を尋ねたアンケート結果を活用。「ほとんど食べない」と、「月に1、2回」「週に1、2回」「週に3、4回」「ほとんど毎日」の5グループに分け、大動脈の病気による死亡との関連を分析した。

その結果、ほとんど食べない人は、週1、2回食べる人に比べて、大動脈の病気で死亡するリスクが1・9倍高かった。血管の壁の中が裂けてしまう大動脈解離(かいり)は2・5倍、血管にこぶができて破裂する恐れのある大動脈瘤(りゅう)は2倍だった。

一方、魚を食べる頻度の多少で死亡リスクに差は出ず、月に1、2回食べる人も、毎日食べる人も変わらなかった。

●魚を食べるのは週に1…2回これがベスト!まず週に1・2回は魚を食べるようにしましょう。

厚生労働省によると、大動脈の病気で亡くなる人は、10年前に比べて約5割増えている。筑波大准教授(社会健康医学)の山岸 
良匡(かずまさ)さんは「魚を習慣的に食べると心筋梗塞を防ぐことは知られていたが、大動脈の病気予防でも魚を食べた方が良いことが分かった」と話している。