●私たちは体験的に、コラーゲンを食べると肌の状態が良くなることを知っていた。
鶏の手羽先や豚足などのコラーゲンを多く含む食品を食べた後、肌の状態が非常に良くなって、化粧のノリがいつもと違うと感じた人も多いことでしょう。だから昔からコラーゲンの多く含んでいる食品を好んで女性たちが食べていました。
世界3大美女の1人と言われる日本の「小野小町」は、好んで〈熊の手〉や〈鯉〉を食べたと言い伝えられています・・。そうです、たくさん含んでいるのが今で言うコラーゲンなのです。
●コラーゲンは食べても肌に効果がないが常識だった
コラーゲンはタンパク質なので、食べると消化されてアミノ酸に分解されてしまいます。そしてそのアミノ酸を吸収するのですから、それがコラーゲンとして再合成される事はありえないと言うのが普通の考え方でした。
●その常識的な考え方が大きく変わったのは2009年のことです
2009年京都府立大学などの佐藤教授らの研究チームによって、コラーゲンの効能としてその機能の一部が解明されたのです。
コラーゲンを摂取すると、消化管内で分解されますが、すべてがアミノ酸にまで分解されるわけでは無く、かなりの部分は小さなペプチドの形で体内にとりこまれ、そしてヒドロキシプロリンペプチドの血中濃度を上昇させます。ペプチドはそのままコラーゲンになるという事ではなく、皮膚の繊維芽細胞という、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を行う細胞を活性化させるという事がわかったのです
コラーゲンの合成には大量のプロリンが必要です。理論的には他のアミノ酸から合成できるのですが、コラーゲンほどたくさんプロリンを含んでいるタンパク質は他にあまりあ
りません。
ですから、コラーゲンを摂取することは、コラーゲンの材料供給としても意味があると思われます。・・化粧品会社、製薬会社、食品会社などが相次いでコラーゲンドリンクを発売する事になり、この論文が内外美容に大きな影響を与えたと言えます。
コラーゲンのアミノ酸組成はグリシンが約1/3を占め、プロリン及びヒドロキシプロリンが21%、アラニンが11%とかなり偏った組成になっています。
また豚皮コラーゲンペプチドよりも、魚鱗コラーゲンペプチドのほうが、又通常食品よりも加工された低分子コラーゲンの方が効果が高いという事がわかりました。