女性は閉経後骨がもろくなる

女性は骨密度が30代で最大となります。その後、毎年1%ずつ骨量が減少していくのです。さらに、月経が終わる(閉経する)と、なんと骨量の減少が毎年3%の割合にスピードアップすると言うのです。これは、女性ホルモンのエストロゲンの減少に原因があります。

●何故そうなるの?

骨は常に作り替えられていて、古い骨が壊されて新しい骨と入れ替わっています。破骨細胞が骨を分解し、骨芽細胞によって新しい骨が作られる。破骨細胞の分解が多く、骨芽細胞の骨の再生が少ない状態になると、骨の密度は下がっていきます。この状態が長く続くと骨はスカスカになり、骨折を起こしやすくなります。

こういった骨の代謝に大きく関わっているのが、エストロゲンです。
エストロゲンには骨の破壊を防ぎ、形成を助ける働きがあり、骨量を維持する役割を果たしています。
エストロゲンが急激に減少する更年期以降は、骨粗鬆症の予防を心がけることが大切です。
一般的に、骨粗鬆症は閉経後10年ほどで発症することが多く、日本人女性では50代に比べて60代で約4倍に増えるといわれています。

このように、骨量が減少した状態を骨粗鬆症と言いますが、こうなると大腿骨の骨が折れててしまうことが起こったり、亀背と呼ばれる背中から腰が曲がった状態になったりしてすることが起こります。

ちょっと滑って尻餅をついただけで骨折をしてしまうと言うのは、高齢者にはよくあることです。動けなくなって入院し、多くの場合は折れた大腿骨を人工骨で置換する手術等が行われ、リハビリをする必要も出てきます。このように高齢になってからの入院やリハビリは、想像以上に負担がかかり、衰弱するきっかけにもつながってしまうのです。

●どうすれば良いの?

30代からの骨量を維持するようなライフスタイルが、晩年のQOL(生活の質)を大きく左右すると言われています。骨量を増やすためには、ウォーキング、ジョギング、テニス、スキー、などの下半身を使う、体重負荷運動を行うと良いと言われています。また、下半身を中心とした筋肉トレーニングを行うことによって、骨量が維持できると考えられています。

骨は常に破壊と再生を繰り返しているので運動で負荷がかかると骨の再生が促進されると言うことです。

そして一方、骨量を守るためにはしっかり骨を作るための栄養素を摂取する必要があります。それは今、日本人が不足がちになっているカルシウムやマグネシウム、そしてビタミンD・ビタミンKを食事からしっかりとることが大切になってきます。

(カルシウムを多く含む食品は、チーズや大根、小松菜、モロヘイヤ、ししゃも、しらすなど。一方、ビタミンDは、さけやさば、マグロなど脂の多い魚や干しシイタケなどに多く含まれています。)

★日光浴は肌にはあまり良くないですが、骨密度の低い人は、ビタミンDを活性化させると言う点では一定量は必要かもしれません