ナウル島の悲劇

●ナウル島、知っていますか?

皆さんがニュージーランドに旅行に行く時、この南太平洋に浮かぶ小さな島ナウル島の上空を飛行機が飛びます。ナウル島は赤道直下、大きさは伊豆大島位の島です。この南太平洋に浮かぶ小さな島で起こった悲劇の話をしましょう。

●衝撃の発表

1980年代オーストラリアのジメット博士が国際肥満学会で発表したこの話は大きな衝撃を与えました。その話とは、ほとんどの島民が肥満になって島民の90%が糖尿病を患っていると言う現実でした。そしてその発表では、地域的・民族的な問題ではなく、ある原因によってこのことが起こったと言う話だったのです。

●どんな島?

歴史をさかのぼるとこの島は、本当はもっと小さな島だったのですが渡鳥が集まってここに糞をします。それが長年繰り返されて、島のほとんどが糞で出来上がった島になったそうです。そして、それが長年経過することによって、リン鉱石を作り上げます。

●何が原因?

1980年頃このリン鉱石に目をつけた先進国は、多くの企業がこのナウル島に流入してきます。そして何も知らない島民たちがこのリン鉱石のおかげで大変豊かになってゆくのです。

●ナウル島の人たちの生活

そして、ここに無税国家が生まれます。国民は税金を払う必要がなくなり、国が豊かな生活を保障してくれると言う、とんでもない幸せがやってきます。そして国民は働かなくなり、毎日5000キロカロリーの食事をしてコーラ漬けの毎日を送るようになったのです。

●その結果は

最初にも書いたように、この島の島民のほとんどが肥満なり、90%の人が糖尿病を患うと言う、病人の島へと変わりました。

●ナウル島の悲劇から教わること

1・★伝統的な食文化と言うのは私たちが代々受け継いできている体に優しい食事と言うことで、食生活が大きく変化すると体に大きな負担をかけると言うことなのです。ナウル島の人たちはアメリカンジャンクフードと飽食で健康を失いました。

2・★人間が動かなくなる、このことが大きく健康を阻害します。もともと私たちは二足歩行するチンパンジーですから、毎日活動的に動き回ることで体が機能するようにできているのです。(ホルモン分泌、代謝活動、等)

●忘れてはいけない事

私たちの健康には、食環境、運動環境など生活をしていく上での環境が70%で最も優先されるべきものと言うことです。