ピマインディアンの悲劇

●私たちと同じモンゴロイド

アメリカのアリゾナ州に紀元前4世紀頃から住み着いて、生活をしているインディアンで、もともとはユーラシア大陸からアラスカを渡ってアメリカ大陸に渡ってきた、我々日本人と親戚のモンゴロイド達でした。

●大自然と共に生活をしていた

アリゾナ州のヒラリバーと言う川の恵みで豆や小麦、そしてかぼちゃなどを作り農耕で生活をしていた先住民たちでした。

●一大事件勃発

1860年代…先住民の居留地政策によって、ピマインディアンは自治権を持って自分たちの広大な地域で自給自足の生活をしていました。そんな中、ヒラ川上流にアメリカ政府がダムを作る計画が持ち上がり、結果的に大きなダムができてしまいます。

●ピマインディアン居留地環境が一変

豊かな農作物で、静かに暮らしていた先住民の今インディアンたちの環境は、ダムが上流にできることによって、一体が砂漠化してしまいます。これに対してアメリカ政府は、ピマインディアンに手を差し伸べ、援助することになります。

●ありあまる食料を与える

アメリカ政府はその代償として農耕生活をする必要がないように、食糧援助を実施します。アメリカのジャンクフード、コーラ、アルコール、そして食生活が一変したのです。

●仕事がなくなり運動不足

食料の全てと、衣服などもアメリカ政府から与えられ、先住民たちは仕事をすることを忘れてしまいます。今まで山を駆けめぐり、また農耕をして生活をしていたのが、ほぼ仕事をしなくても生活が出来るようになります。

●1960年の調査

1960年に、NIH(国立衛生研究所)が、関節リウマチの研究のためこの居留地を訪れます。そしてこの村に入って研究者たちは、ピマインディアンたちを見て、びっくりしたのです。それはBMI30以上の肥満が90%、そして糖尿病患者が50%と、当時のアメリカの平均の約8倍だったのです。そして研究のテーマを関節リューマチの研究から「ピマインデアンの肥満」の研究に変更しました。

●ピマインディアンの肥満の結論

ピマインディアンがなぜこのように肥満者が多く、そして糖尿病患者が全米の8倍にも達しているのか、ということに関して1つの結論に達します。それはピマインディアンが持っている肥満遺伝子である「β
3アドレナリン受容体遺伝子の変異」が45%の人たちに見られた事でした。(実は日本人も34%)・・このことから肥満者が多いと報告されたのです。

●この結論を覆す現実

実は全く同じ今インディアンが、メキシコの山中にも住んでいる事がわかっていました。彼らは全て平均的な体重で、アメリカのアリゾナ州の居留地に住んでいるインディアンと比べて、体重で30キロも少なく、糖尿病患者は1人もいないと言う現実でした。

●伝統的食生活の崩壊が肥満と病気を生む

ここで1つの結論に到達することができます。それは伝統的な食文化が崩壊し、ジャンクフードであったり欧米文化が流入することによって、元来・節約型の遺伝子を持っているモンゴロイドたち(日本人も同じ)は過剰栄養に脆弱極まりない体質であることから、肥満になりやすく・糖尿病などの生活習慣病になって、健康が大きく崩壊する代表的な話でした。

この物語を読んでいただいた皆様には、我々日本人も同じモンゴロイドで、多くが同じ遺伝子変異を持っています。十分肥満には気をつけるようにしましょう。