■4つの脂質
〈血液中を流れる4つの脂質〉
脂質の中には「コレステロール」、「中性脂肪」、「燐脂質」、「脂肪酸」などがありますが、血流とともに全身に運ばれてこれが利用される仕組みになっています。
《4つの脂質の働き》
ーーー【コレステロール】ーーー
●細胞膜や生体膜を構成
細胞を取り巻く細胞膜や、細胞の中の成分が移動するのを防ぐために存在する生体膜を作る原材料となっています。コレステロールが増えると、細胞内にミネラルやブドウ糖などをうまく取り込むことができなくなるので、コレステロールが多くなることも要注意です。
●胆汁酸の原料
その他にコレステロールは胆汁酸の原材料となります。脂肪を消化するのに必要な消化液の1つである胆汁の構成成分でもあるのです。胆汁はコレステロールを原材料に肝臓でつくられます。
●ホルモンの原料
その他にもホルモンの原料となっています。例えば副腎皮質ホルモンや男性ホルモン、黄体ホルモンにはコレステロールが多く含まれていることがわかっています。
ーーー【中性脂肪】ーーー
●エネルギー源として利用
脂肪細胞の中に蓄えられているのがこの中性脂肪です。そしてこの中性脂肪をエネルギー不足になったときに利用します。中性脂肪は体内に蓄えられている脂質の95%以上を占めています。
●体温を保ち、内臓を保護
特に皮下脂肪は体温を一定に保つ働きをしています。そしてまた内臓脂肪は腸間膜に付着し、肝臓や心臓などの腹部にある臓器が、外から衝撃を受けた場合その衝撃を吸収する役割をしているのです。
ーーー【リン脂質】ーーー
●リポタンパクを作る
リン脂質は細胞膜を作っている主な成分でもあります。このリン脂質は水溶性なので、水に溶けにくいコレステロールや中性脂肪とうまく結合してリポタンパクを作り、血中を流れる役目を果たしているのです。
ーーー【脂肪酸】ーーー
●エネルギー源
中性脂肪が分解されると、脂肪酸とグリセロールに分かれて脂肪酸はアミノ酸と合体することによって遊離脂肪酸となって血中を巡ります。そしてこの遊離脂肪酸が効率の良いエネルギー源となるのです。