笑いがもたらす健康効果・・・その根拠は?

「笑う門には福来る」と言いますが、「笑う門には福だけでなく健康もやって来る」のです。ーー笑いにはお金も手間もかかりません。

1. 免疫力アップ

笑うことは免疫力を高めてくれます。私たちの体は毎日無数のウィルスや病原菌を取り入れていますが、そう簡単に病気にならないのは免疫力のおかげです。免疫力を語る上で特に重要な免疫細胞が、NK細胞とB細胞です。
NK細胞はナチュラルキラー細胞の略称で、体内に侵入したウィルスや細菌、ガン細胞を破壊する働きを担う免疫細胞です。そしてB細胞はボーン細胞の略称で、細菌やウィルスを破壊するための抗体を作り出す免疫細胞です。
笑うことで免疫力が高まる理由は、笑いがNK細胞とB細胞の働きを活性化させるからです。ウィルスや細菌を破壊してくれる細胞と、その抗体を作り出す細胞が活性化すると必然的に免疫力が高まりますね。
免疫力が高まるとさまざまな病気に罹患しにくくなるだけでなく、ガン細胞を破壊してくれるのでガン抑制にも効果があると言えます。ただ笑うだけで、免疫力の要である2つの免疫脂肪を活性化できるなんて素晴らしいことですよね。

2. 記憶力・判断力が活性化する

笑いは脳機能を高めてくれます。具体的には記憶力や判断力、思考力などが高まります。
人は笑うと脳への血流が増加し、自然と脳の働きが活性化されます。そして特に活発化するのは海馬や側頭葉。海馬は記憶、側頭葉は判断力などを司る器官です。
つまり、笑いは脳を活性化させ、いつもより記憶力が増す、テキパキ判断を下せる、といったふうに脳の機能を向上させるのです。そして、笑いは脳波の中でもアルファ波を増加させます。
アルファ波は脳をリラックスさせながらさらに脳機能を高める相乗効果を持つ脳波です。笑いは脳への血流を増加させることで脳機能を向上させ、さらにアルファ波を増加させることでさらに脳機能を高めるということになりますね。

3. 幸福感や、やる気スイッチをオンにしてくれる

笑いは幸福感をもたらし、やる気やプラス思考を高めてくれます。幸福感やプラス思考を高めてくれる理由は、脳内に分泌されるホルモンが影響しています。
例えば、笑うことで分泌されるエンドルフィンというホルモンは、強烈な幸福感を与えてくれます。「脳内麻薬」と呼ばれることもあり、モルヒネの数倍以上の鎮静作用があると言われることも。
マラソンなどで感じるランナーズハイもこのエンドルフィンが影響しています。また、笑いうことでドーパミンも分泌されます。
ドーパミンは、やる気やプラス思考を高めてくれるホルモンです。仕事や勉強中に笑うことはご法度かもしれませんが、ときには笑いを織り交ぜることでモチベーションを高めることができそうですね。

4. ストレスを少なくする

現代はまさにストレス社会。ストレスだらけの状況でもがいている方も多いのではないでしょうか。
笑いはストレスを軽減してくれます。
ポイントは2つあります。
1つ目は、笑うことで脳内ホルモンのセロトニンが分泌されるから。セロトニンとは、別名「幸せホルモン」「癒しホルモン」と呼ばれ、心のリラックスに欠かせないホルモンです。
うつ病などの精神疾患患者にはセロトニンを増やす生活をすすめているほど注目されています。笑うことでセロトニンが分泌されると、心が穏やかな状態になりストレスから解放されます。
そして2つ目はドーパミンです。やる気スイッチをオンにしてくれるホルモンとして前述したドーパミンですが、やる気をアップさせるだけでなく、ストレスホルモンの分泌を抑える働きもあります。
つまり、やる気やプラス思考を高めながら、ストレスを軽減させる効果もあるのです。

5. アレルギー改善

笑いは、各種アレルギーを改善する効果があると言われています。特に、アレルギーの中でも代表的なアトピーにも効果があると医療現場で認められています。
アレルギーとはそもそも、体内の免疫細胞が必要以上に機能しすぎることによって発生します。本来は抑制する必要のない部分にまで免疫細胞が働いてしまうのです。
そしてアレルギーの多くは、体内に存在する「IgE」と呼ばれる抗体が原因であると言われています。
つまり、IgEが機能しすぎてしまうことでアレルギー症状を引き起こしてしまうのです。笑いは、このIgE抗体を減少させることがわかっています。
アレルギー症状を引き起こす抗体を減らすことで改善に導いてくれるということですね。最近では、病院でのアレルギー治療に笑いを取り入れるなど、新たな治療法として取り組んでいる病院も増えてきています。

6. 糖尿病、リウマチ、心臓病を予防する

笑いには数多くのメリットがあることがここまででご理解いただけたかと思いますが、多くの重篤な病気を予防する効果も認められています。
例えば、糖尿病を予防する効果。これは、実際の糖尿病患者の食後血糖値を測定したところ、漫才で爆笑した患者は食後血糖値の上昇を抑えることができたという結果から証明されています。
生活習慣病として知られている2型糖尿病を予防するには、食後血糖値をいかに抑えるかが重要ですが、笑いには大きな効果があるのです。
そしてリウマチ。関節リウマチを悪化させる物質「IL-6」の値を測定したところ、大笑いしたリウマチ患者は短期間でIL-6の値が下がることが分かっています。
また、心臓病についても心拍数や血圧の上昇を抑えることで予防効果があることがわかっています。ある実験について、精神的ストレスを感じる作業において笑顔の表情を維持したまま行った結果、心拍数や血圧の上昇を最低限に抑えることができるからです。

7. 血行を促進する

笑いは全身の血行を促進してくれます。血行促進はその他の健康効果に比べて軽視してしまいがちかもしれませんが、体にとってはとても大切なことです。
笑いが血行を促進できる理由はいくつかあります。大きく笑うと横隔膜が刺激され血流を促進すること、自然と腹式呼吸になり血管を広げてくれることで副交感神経が刺激されるためなどです。
運動不足、ストレス過多、栄養バランスの悪い食事など現代人の生活習慣はドロドロ血液を招いてしまいがち。
ですが、笑うだけで血行を促進してくれるのであればとても手軽ですね。適度な運動をする、入浴をするといった習慣と同じように、笑いもぜひ生活に取り入れましょう。

8. 筋力を高める

笑いは筋肉量を増やします。たかが笑うことぐらいで筋肉が増えるの?と思うかもしれませんが、大笑いが止まらないときはお腹が痛くなってしまう経験をした人は多いはず。
笑いは筋肉をフル活用しています。毎日継続的に笑っていれば、お腹の筋肉をしっかり引き締めることができるほどです。
また、年齢を重ねた女性の多くが悩んでいるしわ。特にほうれい線や目じりなどが悩みの種ですね。
顔にしわができてしまう原因は、顔の筋肉が衰えてしまうからと言われています。笑いは顔の筋肉をしっかり使うので、しわやたるみの予防にもつながります。
しわを作らないために一切笑わない生活を送っていると、気づいた時にはしわやたるみがたっぷりある老け顔になっているかもしれませんよ。

まとめ
今回は、笑いが高い健康効果をもたらすこと、素晴らしいメリットがあることをご説明しました。
化粧品を販売するアテニアの調査によると、成人女性の1日の笑顔の回数は約13.3回、時間に換算するとわずか30秒にも満たないことがわかっています。一方で、子供の笑顔は1日約400回、成人女性のおよそ30倍も笑っているという結果に!
また20代よりも30代、30代よりも40代の方が笑う回数が少ないことも報告されています。今のまま、何も考えず年を重ねてしまうと、必然的に笑う回数は減っていきます。
こんなに健康効果やメリットの高い笑いを活用しないなんてもったいないですよね。ぜひたった今から、笑いを生活に取り入れていきましょう。