糖質制限ダイエットについて

●糖質制限ダイエットについて
■《日本肥満予防健康協会の見解》
「糖質制限ダイエット(アトキンスダイエット)」ですが、日本肥満予防健康協会としてあらゆる方向から検証したところ、大幅な基礎代謝の低下を招き、体の抵抗力の深刻な低下も起こることがわかりました。又、炎症性サイトカインのIL-6の増加等による身体への負担や、民族的・歴史的に米文化の日本人にとっては、リバウンドし易い欠点も有り、内容もしっかりわからないままの長期の極端な糖質制限ダイエットは、日本肥満予防健康協会では、推奨していません。

日本肥満予防健康協会では、糖質制限ではなく現在の活動強度に応じた糖質コントロール、そして栄養素のバランスを考えたカロリーコントロール、そしてもう一つの柱がブドウ糖スパイクを作らない食事。この3本柱で食事指導をしています。

ほとんど多くの人が「糖質制限」のみをする事に集中しますが、アミノ酸が不足した状態で糖新生が起こると、筋肉が食いつぶされていきます。筋肉の分解を極力抑えるためには、異化を防ぐ分だけ余分に蛋白質やアミノ酸を補給してやる必要があります。糖質制限ダイエットの場合は、ご飯などの炭水化物も制限しますので食物繊維の不足をきたします。今、日本人は通常でも摂取基準に達していない状態ですから、食物繊維が不足してしまえば、腸内環境は最悪です。蛋白質をしっかり摂取しているのなら、十分すぎるくらいの食物繊維を意識的に摂取する必要があります。それを怠れば、大腸がんになるリスクが上がります

糖質制限ダイエットは、糖新生やケトン体といった体の防衛本能を最大に利用したダイエット方法で急速に痩せる方法でも有りますが、日本肥満予防健康協会では糖質はエネルギー比率40%を下限として、1日130g程度の摂取を推奨しています。

2012年日本糖尿病学会の門脇孝理事長(東京大学医学部附属病院院長)は、読売新聞の取材に対して次のように述べています。
『炭水化物を総摂取カロリーの40%未満に抑える極端な糖質制限は、脂質やタンパク質の過剰摂取につながることが多い。短期的にはケトン血漿や脱水、長期的には腎症、心筋梗塞や脳卒中、発癌などの危険性を高める恐れがある』〈2012年7月27日付読売新聞〉
糖尿病や合併症の重症度によっては生命の危険性があり進められないと指摘しています。

日本肥満予防健康協会