現在日本では高齢者の寝たきりをなんとか予防しなくてはいけないと言うことで、ロコモティブシンドロームに注目が集まっています。高齢者になるとどうしても低栄養になる人が多く、サルコペニアと相まってさらに筋肉減少を起こします。そこに骨密度の低下が加わると運動器障害に至り、その結果寝たきりを作ると言う状況が広がっています。
●高齢者の筋肉と骨の維持に関しては、毎日の食事が大切な要素となる
「国民健康・栄養調査(2012年版)」によると、筋肉の維持と増加のためには成人1日あたり体重1kgにつき1.0~1.2gのたんぱく質が必要であり、健康な高齢者でも同じ量が、また慢性疾患のある高齢者では1.2~1.5gが必要であるとされています。
また、「サルコぺニア診療ガイドライン 2017」(日本サルコペニア・フレイル学会
編)では、1日1kgあたり1.0g以上のたんぱく質摂取が強く推奨され、同様に「フレイル診療ガイドライン
2018年版」(日本老年医学会、長寿医療研究センター
発行)では、栄養状態はフレイル(健康な状態と要介護状態の中間)と関係し、微量栄養や血清ビタミンD低値はリスクとなると記載されている。実際摂取量を計測した研究では、高齢になればなるほどたんぱく質必要量の1.2gに満たない割合が男女ともに増え、また、いずれの年代でも女性では朝・昼食で基準値以下であることが判明したという。
●高齢者のタンパク質摂取不足が問題!
筋トレの後にタンパク質摂取
筋肉の合成について、たとえば筋トレなどのレジスタンス運動後は、筋たんぱく質の合成が急激に刺激されることがわかっており、とくに単回のレジスタンス運動でも、運動後その合成促進効果は2日間持続することが報告されています。
高齢者の筋肉量維持は、重要な課題であると考えられています。筋肉量や筋力を増加するためには、食が70%運動が30%と言われています。
そんな中、どうしても高齢者のタンパク質摂取が、重要な食生活のカギだと考えられます。
高齢者の筋肉量維持は、まず毎日の食事から!特に朝食と昼食にしっかりたんぱく質を摂るようにしましょう。