●全粒穀物で死亡率低下の報告
精製された白米を食べるよりも、全粒穀物の玄米を食べる方が、健康に良いと昔から言われてきています。それが最近の研究で寿命が延びる可能性が示唆されました。玄米の摂取量が多い人ほど心血管性の疾患で死亡する率が低くなると米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院(ボストン)助教授のQi Sun氏は述べています。
●玄米以外の全粒穀物とはどんなものがあるか
我々日本人にとって全粒穀物の代表的な食品は玄米ですが、その他にも多くのものがあります。
糠・ふすま(穀皮)、胚芽(栄養豊富な芯の部分)、胚乳(中間層)を含めた穀粒が丸ごと含まれている。全粒穀物を用いた食品には全粒小麦粉、オートミール、玄米、全粒コーンミールなどがある。
穀物を精白すると、糠や胚芽が除去されるため、食物繊維、鉄分のほか、多くのビタミンB群も失われてしまう。白パン、白米、精白小麦粉はいずれも精製された穀物だと、米国農務省(USDA)は説明している。
●玄米を3食食べれば、魔法の薬
全粒穀物を1日に3皿分(合計48g)食べる人は、3皿分未満しか食べない人や全く食べない人に比べて心疾患および脳卒中による早期死亡のリスクが約25%低く、がんによる死亡リスクは約15%低かった。と言う研究結果も報告されています。
●その理由は?
その理由には様々な可能性が考えられますが、玄米には豊富な食物繊維や、玄米特有の機能性成分が含まれていて、血糖値やコレステロール値が改善されます。心疾患や糖尿病のリスクが低減すると言う、報告は数多く発表されています。特に玄米に含まれている栄養素以外のファイトケミカルに強力なパワーを持ったものが数多く発見されています。
●玄米にどんな成分が含まれているの?
玄米に含まれている機能性成分は非常にパワフルなものばかりです。特にこの研究は進んでおり、国際シンポジウムなども開かれています。それではどんな機能性成分が存在するのでしょうか。
●玄米に含まれている機能性成分
★ガンマオリザノール
★食物ステロール
★IP6
★イノシトール
★フェルラ酸
★γアミノ酪酸
★トコトリエノール
★オクタコサノール
★ライスセラミド
★スクワレン
★アラビノキシラン
●こんなすごいものを見逃して、糖質制限ダイエットありえない!
玄米や全粒粉穀物の非常に素晴らしいところを全く見逃してしまっていて、お米が肥満の元凶のような捉え方が多くの方々を惑わしています。一方では糖質制限ダイエットが大流行し、簡単に減量できる方法として、極端な偏食ダイエットは、我々日本肥満予防健康協会としては全く受け入れることができません。
●ではどれぐらいの量食べれば良いのか!
まずは1日約50グラムの玄米もしくは全流穀物を摂取するようにしてみましょう。とりあえずは継続する事が何よりも大切です。玄米以外にもオートミール、キヌア、オーツ麦、などありますが、意識的に全粒穀物を習慣化しましょう。