1970年位の時期に、アメリカと当時ソ連で、ある実験が行われていました。
それは、私たち人間が無重力状態で長時間存在すると、どのように体に変化が起こるかと言う実験でした。
実験の内容は、ベッドの上に寝たきりで、頭の方を6度下げ、1週間ずっとその状態で過ごすと言う実験でした。
●《アメリカ》の実験
〈NASAのエムズ研究所〉で6人のボランティアがこの実験に参加しました。そして1週間後、実験が終了し6人のボランティアの人たちに、実験が終了したことを告げます。しかしそこで驚くべきことが起こったのです。それは6人全員がほとんど立ち上がることもできなかったと言う事実です。
足の筋肉は数%減少し、無重力状態では、私たち人体に甚大な影響を与える事が発見されました。
●《ソ連》の実験
〈モスクワの医学研究所〉においても全く同じ実験が行われています。ここでは驚くべきことに、1週間ではなく365日の寝たきり実験が実施されました。モスクワではボランティアではなく、軍人が参加しました。そして365日、1年間の実験が終了した後、全員に実験終了を告げます。。そうすると驚くべきことが起こりました。全員がそのまま立ち上がり、自分の荷物をまとめて自宅に帰宅したのです。えええ！・・どうして！
さて、アメリカとソ連のこの2つの実験で、ある重要なことが発見されました。アメリカでの実験ではたった1週間で立ち上がる事ができないほど人間の体にダメージを与えたのに対して、ソ連では365日1年間の寝たきり実験をしても、ほとんど体にダメージがなかったのはどうしてでしょうか？
●その答えは
ソ連のモスクワ医学研究所の実験では1日2時間の運動をしていたのです。ここで重力と運動は、私たちの体に大切な役割を持っていると言う大発見をしました。
●人類史上画期的な実験に成功
1973年、アメリカはベトナム戦争の真っ最中に、フォード大統領は人類史上初の画期的な実験を実施します。それはスカイラブの打ち上げでした。宇宙での長期滞在の実験です。ジェラルドカーサ41歳が艦長で、84日間の宇宙滞在に成功しました。
1982年、ソ連も211日間の宇宙長期滞在に成功します。この時の艦長はベルザボーイ中佐。
ともに1日2時間から3時間の運動を宇宙で行っていました。それでも、実は筋肉は無重力状態で減少したと伝えられています。
●重力と運動
このことを考えても、私たち人間が重力と、運動をすると言う事がいかに強力な力を持っているかわかります。例えばもし重力がなければ受精卵も育つ事はありません。無重力状態では最初にできる縦の線（背骨）ができないのです。
私たちが地球上で暮らす以上、しっかり運動をすることこれを忘れてはいけません。