私たちの血液中に流れている油には4種類の油があります。
1・脂肪酸
2・コレステロール
3・中性脂肪
4・リン脂質
●悪玉はこいつだ!
いずれも、私たちの体に必要不可欠な脂質であることは間違いありません。この中に、悪玉と呼ばれる油があるのをご存知ですか?それはコレステロールの中の、LDLコレステロールを悪玉コレステロールと呼んでいます。もちろんこのLDLコレステロールも私たちの体の構成上必要不可欠なものではあるのですが、過剰に血液中に流れすぎることにより、動脈硬化の原因になることがわかっています。
●悪玉はこうして増える
食べ物の中には脂肪が含まれています。その脂肪を構成する脂肪酸は大きく分けて、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。コレステロール自体は動物の体に由来する油なので、概ね飽和脂肪酸に存在すると考えて良いと思います。
●悪玉を減らす方法
血液中のLDLコレステロールを減らすためには、運動療法や薬物療法も行われますが、まず基本となるのは食事の改善です。食べ過ぎや肥満は、肝臓でのコレステロールの合成を促進します。太っている人は食事を抑えて、体重を減らし、肥満を解消すると血液中のLDLコレステロール値は低下します。つまるところダイエットによって悪玉を減らすことができるということです。
●悪玉を含んでいる食品を減らす
悪玉コレステロールの多い人は、動物性食品の好きな人に多い傾向にあります。特に肉類や卵の大好きな人はコレステロール値が高い場合が多く、野菜など植物性食品を多く食べている人たちは、悪玉コレステロールは高くなりません。(1部の家族性の人たちを除けば。)
●植物油は悪玉を減らす
動物性脂肪に比べて、植物油や魚の油に多く含まれている不飽和脂肪酸には、血液中の悪玉コレステロールを低下させる作用があります。植物油に含まれるリノール酸には、多く摂りすぎると悪玉コレステロールを下げるだけではなく、善玉コレステロールも低下させる作用があるので要注意ですが、オレイン酸は善玉コレステロールを下げないと言われているので、オリーブオイルなどは良いかもしれません。
●魚の油は悪玉を減らす
魚の油に含まれているEPA
やEPAにも悪玉コレステロールを低下させる作用とともに、血小板凝集抑制作用があるので、血栓の予防効果も期待され善玉のコレステロールを上昇させる効果もあり、中性脂肪を低下させる効果もあるのです。
●食物繊維も悪玉を減らす
食物繊維の摂取は1日25グラム以上となっています。海藻類、きのこ類、こんにゃく、果物に多い水溶性食物繊維には悪玉コレステロール低下作用があります。根菜などの野菜に多い不溶性食物繊維は、水分を吸って膨らむため満腹感が得られ食べ過ぎを防ぐことができます。
●悪玉を超極悪玉にしないために
悪玉コレステロールは活性酸素によって酸化すると、動脈硬化を進める原因となります。活性酸素による酸化を防ぐためには食事で摂るコレステロールの量を減らすとともに、抗酸化成分を多くとるようにしましょう。抗酸化成分は緑黄色野菜や果物海藻キノコなどに多く含まれているのでできるだけ食べるようにしましょう。その他にも緑茶やココア・赤ワイン・コーヒーにも含まれています。(ただしお酒やコーヒーは取りすぎに注意。)