●内臓脂肪型肥満、認知症の確率2.72倍
肥満と認知症の関係について、最近は数多くの研究発表が報告されています。特に内臓脂肪の多く溜まっている状態の内臓脂肪型肥満の人は通常の人よりも認知症になる確率が2.7倍にもなる可能性が報告されました。
●英国のケンブリッジ大学精神医学部のリサ・ローナン氏らの報告
肥満や過体重の人の脳では、やせた人に比べて白質の測定値が低いことを突き止めた。研究によると、40歳の肥満や過体重の人の脳は、老化が10年進んでいると考えられるという。「過体重や肥満であると、アルツハイマー病や認知症といった神経変性疾患の発症リスクが高まる可能性がある」と報告。
●英ラフバラー大学のMark Hamer氏らの研究
肥満の人は、特に腹部肥満であると脳が萎縮する傾向がみられることが、英ラフバラー大学のMark
Hamer氏らの研究で明らかになった。9,600人を超える英国人を対象に分析した結果、適正体重の人に比べて、肥満の人は脳の灰白質の容積が小さいことが分かった。
●米ボストン大学神経学のClaudia Satizabal氏の報告
過剰に蓄積された脂肪組織自体にも原因があるとしている。脂肪組織は、脳機能に影響する可能性があるホルモンや代謝産物を分泌することが、複数の研究で示されている。
●東北大学の農学研究科食品化学分野の研究グループによると
1975年頃に食べられていた日本食に高い健康有益性がみられ、加齢にともない増える2型糖尿病、脂肪肝、認知症を予防し、寿命を延伸することを明らかにしたのです。
《1975年頃の日本食とは》
主菜と副菜で合計3品以上
煮物、蒸し物、生食を優先し、揚げ物、炒め物を控える
大豆製品、魚介類、野菜、海藻、きのこ、果物を積極的に摂取する
出汁と発酵系の調味料(醤油、味噌、酢など)を利用し、砂糖、塩を控える
一汁三菜(ごはん、汁物、主菜、2つの副菜)を基本に、多様な食材を摂取する
●認知症予防で、重要なのは食生活
東北大学の報告は非常に興味深いですね。1975年と言えば昭和50年です。日本人が世界1の長寿国となったのが昭和58年のことです。世界30カ国をごぼう抜きにして当時世界ナンバーワンだったスウェーデンを抜いて世界トップの長寿国になりました・・。その時の長寿を支えたのが上に記載した食事だったのでしょう。
《日本人の平均寿命の変遷》
大正12年ーー42歳
昭和22年ーー50歳
昭和26年ーー60歳
昭和46年ーー70歳
昭和58年ーー長寿世界ナンバーワン